第5章 感染性廃棄物の処理の委託

1 委託契約

医療関係機関等は、感染性廃棄物の処理を自ら行わず他人に委託する場合は、法に定める委託基準に基づき事前に委託契約を締結しなければならない。
(参照)法第 12 条の2第6項、令第6条の6
【解説】
  • 法においては、排出事業者が自らの責任において廃棄物を処理することと定められており、委託処理する場合においても排出事業者は廃棄物が処分されるまでの責任を負うため、委託をする場合には定められた基準を守らなければならない。
  • 感染性廃棄物の運搬又は処分を委託する場合は、運搬については特別管理産業廃棄物収集運搬業者、市町村、都道府県等に、処分については特別管理産業廃棄物処分業者、市町村、都道府県等にそれぞれ委託しなければならない。
    (参照)法第 12 条の2第5項、規則第8条の 14、規則第8条の15
  • 医療関係機関等は、感染性廃棄物の処理を特別管理産業廃棄物処理業者に委託する場合は、受託者が都道府県知事から感染性廃棄物の収集運搬又は処分の業の許可を受けた者であることを確認しなければならない。
    取扱う廃棄物の種類 業の許可区分 許可権者
    産業
    廃棄物
    産業廃棄物 産業廃棄物収集運搬業 都道府県知事又は
    政令市長
    産業廃棄物処分業
    感染性産業廃棄物 特別管理産業廃棄物収集運搬業
    特別管理産業廃棄物処分業
    一般廃棄物 一般廃棄物収集運搬業 市町村長又は特別区長
    一般廃棄物処分業
    また、委託に当たっては、業者が提出した許可証の写し等により、必ず次の事項 を確認すること。
    • 業の区分(収集運搬業、処分業)
    • 取り扱うことのできる廃棄物の種類(許可品目に「感染性産業廃棄物」が含まれていること。)
    • 許可の条件(作業時間等)
    • 許可期限
    • 運搬の委託の場合には、業者が積替え又は保管を行うかどうか及び行う場合には積替え又は保管を行う場所の所在地、保管できる廃棄物の種類及び保管上限
    • 処分の委託の場合には、処理施設の種類及び処理能力
    • その他
    • (例) A県の病院が、感染性廃棄物の焼却をB県の特別管理産業廃棄物処分業者 (甲社)に、甲社の事業場までの収集運搬を特別管理産業廃棄物収集運搬業者 (乙社)に、それぞれ委託しようとする場合、
      • 甲社が有すべき許可は、B県知事による特別管理産業廃棄物(感染性産業廃棄物を含む。)の処分業(焼却処分)の許可
      • 乙社が有すべき許可は、A県知事及びB県知事による特別管理産業廃棄物(感染性産業廃棄物を含む。)の収集運搬業の許可となる。
        注)特別管理産業棄物処理業の許可には期限(5年、優良認定業者*の場合7年)があるので、注意すること。
        *通常の許可基準に加え、産業廃棄物処理業の実施に関し優れた能力及び実績を有する者の基準をクリアした優良な産業廃棄物処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定
        (参照)令第 6 条の 14 第 2 号、規則第 10 条の 16 の2
    さらに、感染性廃棄物の運搬又は処分を委託するときは、あらかじめ委託しよう とする感染性廃棄物の種類、数量、性状及び荷姿、当該感染性廃棄物を取り扱う際 に注意すべき事項を文書で業者に通知しなければならない。 ( 参 照 ) 法 第 12 条の 2第5 項及 び第 6項 、令第 6条 の6
  • 医療関係機関等は、感染性廃棄物の処理を収集運搬業者又は処分業者に委託する場合は、事前に当該業者と書面により直接委託契約を結ばなければならない。当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれているとともに、受託者が他人の廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者であって委託しようとする廃棄物の運搬又は処分若しくは再生がその事業の範囲に含まれるものであることを証する書面(例:許可証の写し)が添付されていなければならない。
    • 委託する感染性廃棄物の種類及び数量
    • 感染性廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
    • 感染性廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力
    • 感染性廃棄物の中間処理を委託するときは、その中間処理後の最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力
    • 委託契約の有効期間
    • 委託者が受託者に支払う料金
    • 受託者が感染性廃棄物の収集運搬業又は感染性廃棄物の処分業の許可を有する場合には、その事業の範囲
    • 感染性廃棄物の運搬に係る委託契約にあっては、受託者が当該委託契約に係る感染性廃棄物の積替え又は保管を行う場合には、当該積替え又は保管を行う場所の所在地並びに当該場所において保管できる感染性廃棄物の種類及び当該場所に係る積替えのための保管上限
    • 委託者の有する委託した感染性廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報 ア 感染性廃棄物の性状及び荷姿に関する事項 イ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等感染性廃棄物の性状の変化に関する事 項 ウ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項 エ その他感染性廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
    • 委託契約の有効期間中に当該感染性廃棄物に係る(9)ア~エの情報に変更があった場合の当該情報の伝達方法に関する事項
    • 委託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
    • 委託契約を解除した場合の処理されない感染性廃棄物の取扱いに関する事項
    (参照)令第6条の6、規則第8条の 16、第8条の 16 の2、第8条の 16 の3
  • 医療関係機関等は、その委託契約書及び添付された書面をその契約の終了の日から5年間保存しなければならない。
    (参照)規則8条の 16 の4

2 再委託の基準

感染性廃棄物の収集運搬業者又は処分業者は、感染性廃棄物の収集運搬又は処分を他人に委託してはならない。ただし、一定の基準に従って委託する場合については、この限りではない。
( 参 照 ) 法 第 14条 の4第 16項
【解説】
  • 感染性廃棄物の収集運搬業者又は処分業者は、感染性廃棄物の収集運搬又は処分を他人に委託してはならない。
  • ただし、医療関係機関等が承諾した場合に限り、再委託することができる。この場合、再委託しようとする収集運搬業者又は処分業者は、医療関係機関等に対して再委託者の氏名又は名称及び当該再委託が委託基準に適合する旨を明らかにし、医療関係機関等の書面による承諾を受けなければならない。
  • 医療関係機関等は、再委託の承諾をしたときは、承諾書面の写しをその承諾をした日から5年間保存しなければならない。

3 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付等

  • 医療関係機関等は、感染性廃棄物の処理を他人に委託する場合、感染性廃棄物を引き渡す際に、定められた様式による産業廃棄物管理票(以下「マニフェスト」という。 )に必要な事項を記入して交付しなければならない。
    (参照)法第 12 条の3第1
  • 医療関係機関等は、マニフェストの交付に代えて、電子マニフェストを利用することができる。
    (参照)法第 12 条の5
  • 医療関係機関等は、感染性廃棄物が最終処分まで適正に処理されたことを、処理業者から返送されるマニフェストの写しにより確認しなければならない。
    (参照)法第 12 条の3第6項
  • 医療関係機関等は、前年度に交付したマニフェストに関する報告書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。
    (参照)法第 12 条の3第7項
  • 医療関係機関等は、定められた期間内にマニフェストの写しの送付を受けないとき、返送されたマニフェストの写しに規定された事項の記載がないとき又は虚偽の記載があるときは、速やかに当該感染性廃棄物の処理状況を把握し、適切な措置を講じなければならない。
    (参照)法第 12 条の3第8項
【解説】
  • 感染性廃棄物を適正に処理するためには、その性状等を十分把握する必要がある。
    このため、感染性廃棄物の処理を委託する際には、業者が取扱い方法を誤らないよ う、感染性廃棄物の種類、性状等に関する情報を十分伝えることが必要である。
    感染性廃棄物の処理の流れを的確に把握し、最終処分まで適正に処理されたことを排出事業者である医療関係機関等が自ら確認するための方法としてマニフェストを交付することとされている。
  • 医療関係機関等の事業者(中間処理業者(例:感染性廃棄物の焼却業者等)を含む。)は、マニフェストの交付に代えて、環境大臣の指定を受けた情報処理センターの運営する電子マニフェストシステムを利用することにより、感染性廃棄物が適正に処理されたことを確認することができる。
    電子マニフェストシステムは、マニフェストの交付、保存等マニフェストに関する事務手続を簡素化するだけでなく、感染性廃棄物の処理状況の迅速な把握等に資するものであるため、積極的に利用することが望ましい。
    なお、財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが情報処理センターとしての指定を受けている。
  • 医療関係機関等の事業者(中間処理業者を含む。)は、感染性廃棄物の処理を他人に委託する場合には、次により処理の受託者に対しマニフェストを交付する。
    この場合、感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物をまとめて取り扱う場合には、全体についてマニフェストを使用することもできることとし、感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物を区別して取り扱う場合には、感染性産業廃棄物についてのみマニフェストを使用することとする。
    • 当該感染性廃棄物の引渡しと同時に交付すること。
    • 当該感染性廃棄物の種類ごとに交付すること。
    • 運搬先が複数ある場合は、運搬先ごとに交付すること。
    • 当該感染性廃棄物の数量及び受託者の氏名又は名称がマニフェストに記載された事項と相違ないことを確認の上、交付すること。
    • 交付したマニフェストの控えは、運搬受託者(処分受託者がいる場合には、処分受託者)から送付されたマニフェストの写しとともに 5 年間保存しなければならない。
  • 医療関係機関等の事業者(中間処理業者を含む。)が交付するマニフェストに記載する事項は次のとおりであり、様式も定められている。
    • 委託に係る感染性廃棄物の種類及び数量
    • 運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称及び住所
    • マニフェストの交付年月日及び交付番号
    • 運搬又は処分を委託した者の氏名又は名称及び住所
    • 感染性廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
    • マニフェストの交付を担当した者の氏名
    • 運搬先の事業場の名称及び所在地並びに運搬受託者が当該感染性廃棄物の積替え又は保管を行う場合には、当該積替え又は保管の場所の所在地
    • 当該感染性廃棄物の荷姿
    • 当該感染性廃棄物に係る最終処分を行う場所の所在地
    • 中間処理業者にあっては、交付又は回付された当該感染性廃棄物に係るマニフェストを交付した者の氏名又は名称及びマニフェストの交付番号(処分委託者が電子マニフェストを利用している場合には登録番号
  • 運搬受託者は、運搬を終了したときは、運搬受託者の氏名又は名称、運搬を担当した者の氏名及び運搬を終了した年月日をマニフェストに記載し、運搬を終了した日から 10 日以内(電子マニフェストの場合にあっては3日以内。)に、マニフェストを交付した者に当該マニフェストの写しを送付しなければならない。
    この場合において、当該感染性廃棄物について処分を受託した者があるときは、当該処分を受託した者にマニフェストを回付しなければならない。
  • 処分受託者は、処分を終了したときは、処分受託者の氏名又は名称、処分を担当した者の氏名及び処分を終了した年月日(当該処分が最終処分である場合にあっては、これらの事項に加えて当該最終処分を行った場所の所在地及び最終処分が終了した旨)をマニフェストに記載し、処分を終了した日から 10 日以内(電子マニフェストの場合にあっては3日以内。)に、マニフェストを交付した医療関係機関等に当該マニフェストの写しを送付しなければならない。
    この場合において、当該マニフェストが運搬受託者から回付されたものであるときは、当該回付をした者にもマニフェストの写しを送付しなければならない。
  • 処分受託者は、6の前段又は本項の規定により、当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載されたマニフェストの写しの送付を受けたときは、最終処分が終了した旨、当該最終処分を行った場所の所在地及び最終処分が終了した年月日を記載するとともに、1で交付された、又は5で回付されたマニフェストに係るすべての中間処理産業廃棄物について最終処分が終了したことを確認の上 10 日以内に、マニフェストを交付した医療関係機関等に当該マニフェストの写しを送付しなければならない。
  • 医療関係機関等は、交付したマニフェストの控えと処分業者から返送されるマニフェストの写しをつき合わせることにより感染性廃棄物が適正に処理されたことを確認し、それらのマニフェストを、送付を受けた日から5年間保存しなければならない。
  • 医療関係機関等は、事業所ごとに、毎年の6月30日までに、その年の3月31日以前の1年間において交付したマニフェストの交付等の状況(産業廃棄物の種類及び排出量、マニフェストの交付枚数等)に関し、定められた様式(規則第8条の27に定める様式第3号)により報告書を作成し、当該事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。
    ただし、電子マニフェストを利用した場合には、情報処理センターが集計して都道府県知事に報告を行うため、医療関係機関等が自ら都道府県知事に報告する必要はない。
  • 医療関係機関等は、マニフェストの交付の日から60日以内に5、6によるマニフェストの写しの送付を受けないとき若しくはマニフェストの交付の日から180日以内に7による最終処分が終了した旨が記載されたマニフェストの写しの送付を受けないとき又は未記載や虚偽記載のあるマニフェストの送付を受けたときは、速やかに当該委託に係る感染性廃棄物の運搬又は処分の状況を把握し、生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講じるとともに、期間が経過した日から 30 日以内に、関係都道府県知事に定められた様式(規則第8条の 29 に定める様式第4号)により報告しなければならない。
  • マニフェストの写しの送付を受けた運搬受託者は、当該写しを5年間保存しなければならない。
  • 運搬受託者(処分受託者があるときには、処分受託者)は、マニフェストを5年間保存しなければならない。
  • なお、マニフェストの不交付、虚偽記載、虚偽マニフェストの交付、保存義務違反等マニフェストに係る義務違反については、罰則(6月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金)が科されている。
    (参照)法第 29 条

4 排出事業者の責任

医療関係機関等は、委託基準やマニフェストについて法令上の義務を遵守することに加えて、感染性廃棄物が最終処分に至るまでの一連の行程における処理が不適正に行われることがないように、必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(参照)法第 12 条の2第7項
【解説】
  • 廃棄物処理基準に適合しない廃棄物の不適正な処分(例えば不法投棄等)が行われた場合において、生活環境保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、一般廃棄物にあっては市町村長、産業廃棄物にあっては都道府県知事は次に掲げる者に対して、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
    • 処分基準に適合しない処分を行った者
    • 不適正処分された廃棄物の発生から処分までの行程で委託基準に違反した者
    • 不適正処分された廃棄物の発生から処分までの行程でマニフェストに関する義務規定に違反した者
    • 不適正処理を行った者に対してそれを要求、依頼、教唆、幇助を行った者
    (参照)法第 19 条の4、法第 19 条の5
  • また、排出事業者が感染性廃棄物の発生から最終処分に至るまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるとの注意義務に違反した場合には、委託基準やマニフェストに係る義務に違反がない場合であっても、一定の要件の下に排出事業者は措置命令の対象となる。一定の要件とは、不適正処分を行った者(委託により当該処分が行われたときは、当該委託をした者)のみでは資力等の事情からみて措置命令の履行が見込めず、さらに排出事業者が処理に対し適正な処理費用を負担していないとき、不適正処分が行われていることを知り、又は知ることができたとき等、排出事業者の責務に照らしてその不適正処理について原状回復等の措置をとらせることが適当であると認められる事由がある場合とされている。
    (参照)法第 19 条の6
  • したがって、医療関係機関等の排出事業者は、委託基準やマニフェストについて法令上の義務を遵守することに加えて、廃棄物が最終処分に至るまでの一連の行程における処理が不適正に行われることがないように、次のような必要な措置を講じ、状況に応じた注意義務を果たすことが必要である。
    • 技術的能力や経理的基礎を欠く状況に陥っている等、不適正処理を行うおそれのある産業廃棄物処理業者に委託しないこと。
    • 適正な処理に必要な料金を負担すること。
    • 不適正処理が生ずることを知った場合に委託を中止する等の状況に応じた適切な措置を講ずること。
  • そのため、産業廃棄物処理業者や処理料金に関する状況を把握することができるよう、都道府県、市町村、廃棄物処理関係団体等から積極的な情報収集を行い、処理を委託する前から十分に注意を払う必要がある
  • 医療関係機関等の排出事業者は、産業廃棄物を委託した処理業者から産業廃棄物の処理を適正に行うことが困難となり、又は困難となるおそれがある事由として処理施設の事故、事業の廃止、行政処分などの通知があった場合、処理業者の処理状況を把握し、適切な措置を講じなければならない。
    (参照)法第 14 条第 13 項、14 項、法第 14 条の4第 13 項、14 項、法第 12 条の 3の 8 項
  • 5の事業者が講ずべき措置としては、例えば次のような措置が考えられる。
    • 通知を発出した産業廃棄物処理業者等が処理を適切に行えるようになるまでの間、その処理業者に新たな処理委託を行わないこと。とりわけ、産業廃棄物を引き渡していないときに通知を受けた場合には、当該措置を講ずることで足りること。
    • 処分を委託した産業廃棄物が処分されていないことが判明した場合にあっては、委託契約を解除して他の産業廃棄物処理業者等に処分を委託し直すこと。
    • 委託した産業廃棄物が再委託可能なものである場合にあっては、通知を発出した産業廃棄物処理業者等に再委託基準に則って再委託させること。
  • 5の通知を受けた医療関係機関等の排出事業者は、産業廃棄物処理業者等に引き渡した産業廃棄物について処理が終了した旨のマニフェストの送付を受けていないときは、通知を受けた日から 30 日以内に都道府県知事又は政令市長に報告書を提出しなければならない。
    (参照)法第 12 条の3第8項、法第 12 条の5第 10 項、規則第8条の 29、規則 第8条の 38 28

5 表示

感染性廃棄物を収納した容器には、感染性廃棄物である旨及び取り扱う際に注意すべき事項を表示するものとする。
(参照)令第6条の5第1項第1号、規則第1条の10
非感染性廃棄物を収納した容器には、必要に応じて非感染性廃棄物であることの表示を行うことを推奨する。
【解説】
  • 関係者が感染性廃棄物であることを識別できるよう、容器にはマーク等を付けるものとする。マークは全国共通のものが望ましいため、右記のバイオハザードマークを推奨 する。
    マークを付けない場合には、「感染性廃棄物」(感染性一般廃棄物又は感染性産業廃棄物のみが収納されている場合は、各々の名称)と明記すること。
  • 廃棄物の取扱者に廃棄物の種類が判別できるようにするため、性状に応じてマークの色を分けることが望ましい。
    • 液状又は泥状のもの(血液等) 赤色
    • 固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等) 橙色
    • 鋭利なもの(注射針等) 黄色
    このような色のバイオハザードマークを用いない場合には、「液状又は泥状」、「固形状」、「鋭利なもの」のように、廃棄物の取扱者が取り扱う際に注意すべき事項を表示すること。
  • 非感染性の廃棄物であっても、外見上感染性廃棄物との区別がつかないこと等から、感染性の廃棄物としてみなされることがある。
    その場合、医療関係機関等と処理業者との間の信頼関係を構築し、医療関係機関等が責任を持って非感染性廃棄物であることを明確にするために、非感染性廃棄物(感染性廃棄物を消毒処理したものや、判断準に基づき非感染性と判断されたもの。)の容器に非感染性廃棄物であることを明記したラベル(以下 非感染性廃棄物ラベルの例「非感染性廃棄物ラベル」という。)を付けることを推奨する。
    非感染性廃棄物ラベルの導入により、意識して感染性、非感染性廃棄物の分別が進むことも期待される。
    非感染性廃棄物ラベルの導入に当たっては、関係者間で事前に十分に調整し、導入の方法(対象とする廃棄物等)等を決めておくことが必要である。
  • 非感染性廃棄物ラベルの仕様は、関係者間で合意したものを使用することが望ましく、ラベルの大きさ、文字は見やすいものとする。
    たとえば、特別区(東京二十三区)では、大きさは縦 55mm、横 70mm、字体はゴシック体のものが使われており、参考となる。

6 施設内処理

感染性廃棄物は、原則として、医療関係機関等の施設内の焼却設備で焼却、溶融設備で溶融、滅菌装置で滅菌又は肝炎ウイルスに有効な薬剤又は加熱による方法で消毒(感染症法その他の法律に規定されている疾患に係る感染性廃棄物にあっては、当該法律に基づく消毒)するものとする。
(参照)特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再生の方法として環境大臣が定める方法(平成4年厚生省告示第194号)
【解説】
  • 医療関係機関等は、発生した感染性廃棄物を自ら処理する場合は、施設内の焼却設備で焼却、溶融設備で溶融、滅菌装置で滅菌又は肝炎ウイルスに有効な薬剤又は加熱による方法で消毒することにより、感染性を失わせなければならない。(感染性を失った処理残渣等は、非感染性廃棄物として処理できることとなる。)
    一方、焼却設備、溶融設備、滅菌装置を有していない場合、消毒を行うことのできない場合、焼却設備を有しているが焼却炉の性能等から効果的な処理が期待できない場合、完全に感染性を失わせる処理が行われていない場合、周辺の生活環境の保全上焼却設備を稼働することが好ましくないと判断される場合等には、特別管理産業廃棄物処分業者等に委託して処理しなければならない。
  • 医療関係機関等の施設内で行う処分は、次の方法により行わなければならない。(参考6参照)
    • 焼却設備を用いて焼却する方法
    • 溶融設備を用いて溶融する方法
    • 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)装置を用いて滅菌する方法(さらに破砕する等滅菌したことを明らかにすること。)
    • 乾熱滅菌装置を用いて滅菌する方法(さらに破砕する等滅菌したことを明らかにすること。)
    • 消毒する方法(肝炎ウイルスに有効な薬剤又は加熱による方法とし、さらに破砕する等滅菌したことを明らかにすること。「ウイルス肝炎感染対策ガイドライン」(参考3)、「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」(参考7)又は「感染性廃棄物の処理において有効であることの確認方法について」(参考8)参照。
      ただし、感染症法及び家畜伝染病予防法に規定する疾患に係る感染性廃棄物にあっては、当該法律に基づく消毒。)
  • 消毒において肝炎ウイルスに効果のある方法としたのは、肝炎ウイルスの1つのB型肝炎ウイルスが最も消毒薬に対して抵抗性の強い病原微生物のひとつであることから、肝炎ウイルスに効果のある方法で消毒すれば、ほとんどすべての病原微生物は不活化されると考えられるためである。
  • なお、2の(1)から(5)のほか、感染性廃棄物の処分方法として適切であると環境大臣が認めるものについては、順次追加することとしている。
  • 医療関係機関等において廃棄物処理施設を設置する場合は、廃棄物の種類若しくは施設の種類又は規模により都道府県知事の許可が必要となる。
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